「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件(http://goo.gl/v0xQYP)において、国税局査察部告発、検察特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決。 著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)。 ツイッター(@thatta0529)で「#検察なう」の情報発信を続けます。

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#検察なう (447) 「齋藤隆博氏、東京地検特捜部長に就任」 1/26/2015 

#検察なう (447) 「齋藤隆博氏、東京地検特捜部長に就任」 1/26/2015

私が巻き込まれたクレディ・スイス証券集団申告漏れ事件は、大阪地検特捜部が関与した郵便不正事件、及び東京地検特捜部が関与した陸山会事件に係る虚偽報告書問題とタイミングを同じくしています。

つまり東の陸山会事件に係る虚偽報告書問題の責任者は、私の起訴の判断をした人間であり、具体的には当時の特捜部長佐久間達哉氏(注1)、そして先日特捜部長就任が報道された当時の特捜部副部長の齋藤隆博氏(注2)がそれに当たります。

この度東京地検特捜部長に昇進した齋藤氏は、陸山会事件に係る虚偽報告書問題により、八木啓代氏が主宰する「健全な法治国家のために声をあげる市民の会」に告発された人物です(検察が起訴するはずもなく、不起訴処分)。

ここをクリック→ 佐久間達哉・木村匡良・齋藤隆博告発状

齋藤氏は、特捜部から一旦は外に出たものの、ほとぼりが冷めた頃に特捜部に復活という按配です。

この人事の報道を目にして、彼らにすれば私の一件は蚊に刺されたほどしか思っていないと分かっていたものの、やはり役人というのは国民の一人一人の痛みなどは屁とも思わないのだろうということを改めて思い知らされる機会となり、やはり心落ち着かないものを感じます。

私の件を置いても、佐久間氏といい齋藤氏といい、陸山会事件(及びそれに先立つ西松建設事件)をフレームアップすることにより、一国の宰相になっていたであろう人物を政治の一線から退かせるクーデターを起こした責任を全く取っていないというのも、正義を守るべき国家組織の一員としていかがなものかと思います(注3)。

西の郵便不正事件は、政治家がらみである以上、村木氏の訴追そしてその先のターゲットとして石井一議員がいたことは、現場の特捜部だけではなく、高検、最高検まで了承事項だとしか考えられません。それを、判決に直接影響することがなかったフロッピーディスク改竄をむしろこれ幸いとばかりに当事者の前田恒彦氏と、その上司の大坪弘道特捜部長・佐賀明元副部長両名の首を差し出し、事態の矮小化を図ったものが事件の背景です。

これに対し、東の陸在会事件に係る虚偽報告書問題は、検察組織全体としては小沢氏の不起訴を決定していたにも関わらず、現場の特捜部が報告書を捏造して検察審査会を誘導しようとしたものでした。この現場急進派の暴走をもってして、郷原信郎氏は「平成の二・ニ六事件」と評価しているものですが、その処遇は二・ニ六事件とは大きく異なります。ご存知の通り、昭和の二・ニ六事件では、首謀の陸軍皇道派青年将校らは死刑に処せられています。しかし、「平成の二・ニ六事件」では、首謀者はむしろ栄転、昇進しているという有様です。

こうした身内に甘い処遇、また西と東の特捜部がらみの事案での明らかに不公平な処分に、内部のモラルがどのように影響されるのか、非常に興味のあるところです。3月に前田恒彦氏とお会いする際に、オフレコでじっくり伺ってこようと思っています。

(注1)
ここをクリック→ #検察なう (311) 「佐久間元東京地検特捜部長、佐賀地検検事正に栄転」

(注2)
ここをクリック→ 齋藤隆博 Wikipedia 

(注3)
ここをクリック→ #検察なう (134) 「郵便不正事件より重大な検察の犯罪 田代検事報告書の検証」 

P.S.
3月7日、愛知県弁護士会の主催で、「『新時代の刑事司法』は?」と題して元特捜検事前田恒彦氏と名古屋でパネルディスカッションをします。お近くの方は是非お越し下さい。

ここをクリック→ 愛知県弁護士会「取調べの可視化市民集会」

1/26/2015













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表紙1




ここをクリック→ Wikipedia クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件

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category: 刑事事件一般

2015/01/26 Mon. 00:01 [edit]   TB: 0 | CM: 2

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この記事に対するコメント

八田さま
八田さんが起訴された折の検察側指揮官が出世をされ複雑な思いでしょうね!
一度起訴をされますと、有罪・無罪に関わらず多くのものを個人は奪われます。注意ですむような案件でも組織をあげて?事件として扱うかと思えば
逆にこれは事件だろう…と思えるような案件でも不起訴だったり…何か
そこに恣意的なものを感じます。特に世間が注目しそうな事件には
何がなんでも…そんな気がしています。小沢代議士も裁判では無罪とは
なりましたが政治家としての生命は終わったような気がします。
他人の人生に多大な影響を与える訳ですから、検察官もプロである以上は
無罪(失敗)が出たからには謝罪があり責任もあると思うのですが…
やはり特別な組織なのでしょうね!
冤罪を恐れる組織にならないと冤罪はなくなりませんね!
失敗があっても誰も責任を取らないのであれば、何をやっても
怖いもの無しでしょう!複雑な思いでブログを拝見しました。

#- | URL | 2015/01/26 Mon. 23:17 * edit *

浮世離れた組織

検察に限りませんが、一般社会ではペナルティを免れないケースであっても官僚社会(村)の中ではそうでない、という場合が少なく無い様に思えます。ぶっちゃけ、大手マスコミで叩かれない限り世間の風評など気にも留めないのでしょう。

私個人の評価としては、無罪を出す様な案件にGOを出した事は、検察官の資質が大いに疑われる重大なミスです。被疑者に対して与えた損害を考えれば本人が辞任すべきくらいに思います。

行政機関としては恐らくその行為自体に違法性は無い為、仮に無罪となったとしてもそれはあくまで裁判所の判断であり、起訴行為そのものは正当な公務であったと考えているのでしょう。

今の制度化では八田さんが法的責任を問えるのは、間違いを犯した公務員当人ではなく、その人を雇用した組織に対してのみです。例え国賠訴訟で勝訴したとしても、組織がそのダメージを生じせしめた責任を公務員当人に請求しない限り、そこで責任追及は終わりです。

私は常々今の国家賠償法は被害者に対する救済と被害を生じせしめた公務にに対する責任追及という点で不十分な点があると考えています。また、司法が行政をチェックするという点から見ても、裁判官自体の行政に対するシンパシーによって有利なバイアスが働いており、公平な裁きが期待できないというのも大いに問題です。

国家賠償法で提訴できる対象を組織だけでなく責任の有る公務員も含める様にすれば、公権力の濫用に対して一定の抑止力になると思います。今の制度では組織が構成員を保護する気になれば、その当人は完全に無傷で済んでしまいます。これは言ってみれば、合法であれば公権力をどんなに恣意的に運用しようとも恐れる事等無い、という事に等しいです。

これを簡単の許す事がどうなるか、様々なケースでその結果が散見できます。恐ろしい事です。

Tri #6Aros7K. | URL | 2015/01/27 Tue. 01:17 * edit *

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