「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件(http://goo.gl/v0xQYP)において、国税局査察部告発、検察特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決。 著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)。 ツイッター(@thatta0529)で「#検察なう」の情報発信を続けます。

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フィルム・レビュー 『シチズンフォー』 ローラ・ポイトラス監督 

フィルム・レビュー 『シチズンフォー』 ローラ・ポイトラス監督

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映画『シチズンフォー(Citizenfour)』観賞。

エドワード・スノーデンのNSA告発を描いたドキュメンタリー映画。

この映画を観る前の私のスノーデン事件やNSAに関する知識は限定的だった。NSA(National Security Agency)は、同じ諜報機関でも人間を使う有名なCIAより国家予算が多いアメリカ最大の政府機関の電子機器を使う諜報機関とか。セキュリティが厳しいので、職員の間でのジョークはNSAは"No Such Agency"の略だとか。スノーデンはその諜報活動を暴露して、第三国に亡命を希望していたとか。

そして、この映画を観る際、スノーデン事件がいかなるものであったかを解説するヒストリーチャンネルのようなものを期待すると完全に期待はずれとなるだろう。

ちなみにタイトルの"Citizenfour"は、スノーデンがジャーナリストにコンタクトした際のコードネーム。

スノーデンがNSAを告発するまさにその瞬間が、このようにドキュメンタリーに撮られているとは全く知らなかった。映画はいきなり始まる。NSAが何かもスノーデンが誰かも全く説明がない。確かに神経質な雰囲気はあるものの、それでも香港のホテルに缶詰めのスノーデンに、歴史を変える告発をする緊張感は見られない。それでいて、専門的かつ抽象的なことをまくしたてる始まってしばらくは、事前の知識がない自分にとっては、全く何が起こっているかを理解するのも辛いという内容だった。

それが最初は匿名でニュースになり、そしてその後に名前を公表する段階になって、緊張感は一気に加速する。自国政府を敵に回し、生命の危険すら感じるスノーデンと、彼を守ろうとするジャーナリストや人権弁護士の攻防である。
映画は、スノーデンがロシアに亡命し、長年つきあっている彼女も一緒に住み始めるところまで。結局映画では、スノーデンの告発がどれほどすごいものなのか、それが具体的に描かれることなく完結する。

つまりこの映画は、スノーデン事件の内容や歴史的価値を理解した者のみが味わえるもの。それ以外の人間にとっては、歴史的瞬間を共感するという感動は到底得られないだろう。

ただ、映画に描かれたスノーデン事件後の各国の対応の中で、コンファレンスで発言していた匿名化ソフトTorの開発者ジェイコブ・アッぺルバウム(耳を横断するアローのピアスがかっこよかった)の「われわれが過去に自由や解放と呼んでいたものは、いまやプライバシーと呼ばれるようになった。そして今、プライバシーは死んだと言われている」という言葉は現代のまさに危機的な状況を言い表していると感じた。

ここをクリック→ 『シチズンフォー』予告編

(Facebook 12/22/2014より転載)











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表紙1




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category: フィルム・レビュー

2015/02/22 Sun. 00:01 [edit]   TB: 0 | CM: 3

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この記事に対するコメント

我が国でも国益(大多数の利益)の為にはプライバシーを含む多少の基本的人権に制限は止むなし、という考え方がどんどん大きくなってきている状況に危機感を覚えます。シリア渡航を計画していたジャーナリストのパスポートを強引に取り上げた事件がありましたが、ああいうケースを見ると増々その思いがつのります。

日本でも合法的な範囲に絞っても警察や検察が捜査事項照会書を使ってプロバイダーやITサービスを提供する企業から相当な範囲で裁判所からの捜索令状無しに情報収集が出来ています。勿論、通信の秘密は憲法で保証されている権利で実際に照会が来ても礼状無しでは応じない会社も少なくありませんが、照会を断ると何かしら不利益が起こる事を恐れているのか、結構な割合で応じている企業も存在している様です(普段役所と折衝の有る様な会社の場合、行政機関の心証を悪くしたくない、という心理が働くのかも)。

良く隠す事が無ければ堂々としていればいい。見たいやつにはいくらでも見せてやれ、みたいな事を言う人が居ますが、そういう人はプライバシーという物を判っていないと思います。

エドワード・スノーデンは勇気の人だと思います。この暴露によって彼にとってリスクと不利益ばかりで、実利はほとんど無いにも関わらず、信念を貫いた事は感服に値すると思います。

Tri #6Aros7K. | URL | 2015/02/25 Wed. 22:42 * edit *

上のコメントを投稿したあとに、スノーデン事件で本人にインタビューすたグリーンワルド氏のTED公演「why privacy matters?」を見ました。

https://www.ted.com/talks/glenn_greenwald_why_privacy_matters?language=ja

かなり早口の方なので数回視聴しなおしましたが、この公演には重要な示唆がいくつも含まれていると思います。

矢田さんはすでに見ておられるかもしれませんが、まだであれば一度チェックされると良いと思います。私にとっては色々と考えさせるものがありました。

Tri #6Aros7K. | URL | 2015/03/10 Tue. 15:59 * edit *

国家は、あなたを監視してる。

「ということは、逆もまた可能ではないのかな」と思いました。

あなたは、米国政府が直面している課題に対する唯一の解決策を
インターネットで公開できます。
米国政府は、あなたがインターネットに公開した唯一の解決策を
監視し、採用せざる得ないということです。
あなたは、国家を操り、支配することも可能です。

君は自分の手で歴史の歯車を回してみくないのか?

ノリック007 #P7i/pkV6 | URL | 2016/07/01 Fri. 20:51 * edit *

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