「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件(http://goo.gl/v0xQYP)において、国税局査察部告発、検察特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決。 著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)。 ツイッター(@thatta0529)で「#検察なう」の情報発信を続けます。

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#検察なう (464) 「国税不服審判所裁決によりクレディ・スイス証券集団申告漏れ事件税務手続き終了~国税局は重加算税賦課理由の説明を最後までできず」 4/9/2015 

#検察なう (464) 「国税不服審判所裁決によりクレディ・スイス証券集団申告漏れ事件税務手続き終了~国税局は重加算税賦課理由の説明を最後までできず」 4/9/2015

先週、国税不服審判所より裁決書が届きました。元々、重加算税を不服としての審判請求でしたが、国税局は何ら釈明なく重加算税を過少申告加算税及び無申告加算税に変更したため、審判請求の主な目的は、「なぜそもそも重加算税を賦課したのか」の理由説明を求めるものでした。

裁決書の結論は、

「重加算税の賦課決定処分のうち、過少申告加算税・無申告加算税相当額を超える部分の取消しを求める審査請求を却下し、その他の部分の取消しを求める審査請求を棄却する」

つまり「過少申告加算税・無申告加算税は適法であり、それを越える税金は取り消されているので請求人(=私)に請求の利益はない」という、予想通りのものでした。そもそも過少申告加算税・無申告加算税は、私としては主たる争点ではなかったので(注1)、重加算税が取消された時点で、この結論は読めていたと言えます。

しかし、問題の「なぜそもそも重加算税を賦課したのか」に関して、国税局による返答はなく、その返答がないことに関しても、裁決書において審判所は何も意見を述べていないことは非常に残念なことでした。

これまで何度も主張してきたことですが、納税が国民の重要な義務である以上、その義務を課す側には重大な説明責任が生じることは論を待たないと思います。もし徴税が、近代化以前の国家が説明責任を果たすことなく年貢を取り立てたようになされたならば、それは明らかな財産権の侵害であり、憲法(第29条第1項)に違反するものです。

重加算税を払えと一方的に言ってきた国税局に対し、
「えっ?なぜですか?私は払う必要はないと思いますが、なぜ払わなければならないのですか?」
と重加算税を払った上で、その理由説明を求めてきました。2010年4月に重加算税を納付して以降、結局ここまでその説明責任が果たされることはありませんでした。

国税局が行ったことは、昨年6月に釈明なく重加算税を取消し、過少申告加算税・無申告加算税に変更決定しただけでした。(注2)

なぜここまで私が理由説明にこだわるかと言えば、それは同じ国税局が私を刑事告発しているからです。「重加算税の賦課理由を説明せよ」というのは「刑事告発の理由を説明せよ」と全く等価です。重加算税の要件は「仮装・隠蔽を伴った故意の所得隠し」がその要件です。脱税の刑事告発はその中でも更に悪質なものを対象とします。つまり、刑事告発をするからには、相当明白な故意の所得隠しを認定する理由、証拠があるはずであり、あるべきです。国税局が重加算税の賦課理由を説明できないことは、彼らが刑事告発の理由を説明できないということを如実に物語っています。

テクニカルには次の税務手続きの段階として、この裁決を不服として訴訟することも可能ですが、それはあまり意味がないと考えます。クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件における税務手続きはこれで完了し、今後は、本丸の国賠審に全力を傾注するつもりです。

重加算税の賦課理由を説明できなかった国税局が、国賠審で、いかに刑事告発の理由を説明するのか、今後も是非ご注目頂ければと思います。

(注1)
重加算税が過少申告加算税・無申告加算税に決定変更された時点で、もし過少申告加算税・無申告加算税を全く争わないのであれば、請求の利益が喪失するという考え方もありましたが、過少申告加算税・無申告加算税に関しては、会社の源泉徴収義務があった(株式報酬の実質的負担は日本法人であったため)との主張で不服審判請求を継続しました。

この点には関しては、私の刑事裁判においても、私の「会社が源泉徴収をしていた」という思い込みが荒唐無稽なものではなく、法的に道理にかなっているという観点で弁護側主張に盛り込まれました。そして一審、控訴審の判決においては、その判断は慎重に避けられたものです。

ここをクリック→ #検察なう (321) 「そもそも会社に源泉徴収義務はなかったのか」

不服審判所の裁決でも、過少申告加算税・無申告加算税に関する不服審判請求棄却に関し、会社に源泉徴収義務はなかったという判断を回避して、「納税者は、源泉徴収がされたか否かにかかわらず、確定申告をしなければならない」という理由で棄却したことはこの点に関心がある方には興味深い裁決だったと言えます。

(注2)
ここをクリック→ #検察なう (401) 「更なる完全勝利、国税局も白旗」

4/9/2015












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category: クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件

2015/04/09 Thu. 00:01 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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