「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件(http://goo.gl/v0xQYP)において、国税局査察部告発、検察特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決。 著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)。 ツイッター(@thatta0529)で「#検察なう」の情報発信を続けます。

05« 2017 / 06 »07
1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.

#検察なう (466) 「クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件を理解する決定版論稿」 4/30/2015 

#検察なう (466) 「クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件を理解する決定版論稿」 4/30/2015

私の一審・控訴審の主任弁護人小松正和弁護士の論稿が『租税訴訟 No.8』に掲載されました。

9784881774113-B-1-L.jpg

ここをクリック→ 『租税訴訟 No.8 租税公正基準』

題して「クレディ・スイス証券元部長にかかる所得税法違反無罪事件~ほ脱の故意をめぐる公正基準」。以下は論稿のリンクです。

ここをクリック→ 「クレディ・スイス証券元部長にかかる所得税法違反無罪事件~ほ脱の故意をめぐる公正基準」

本来、事件の全容を理解するためには、検察の主張として一審論告及び控訴審控訴趣意書、弁護側主張として一審最終弁論及び控訴審控訴答弁書、そして裁判所の判断として一審判決文及び控訴審判決文を並べる必要があります。

この論稿は、それら三者の主張・判断を並列に記載しているため、事件の全容をハンディに理解することが可能です。プロ向けの資料ではありますが、興味のある方は是非ご一読下さい。

今読んでも、控訴審で検察が展開した「高額の所得を稼ぐ者の方が金に細かい場合があるという経験則がある」という主張(p.18)は、結構笑えます。

判決(角田正紀裁判長)では、「(高額の報酬を得ている者が)自己の収入支出の細かいところまで神経を行き届かせ、これを隅々まで把握することになるか、あるいは逆に鷹揚に構えるかは個人の性格の問題に帰着するように思われる。」「(検察の主張は)逆の経験もあって結局どちらともいえない。」と一蹴されました。判決理由の読み上げで、傍聴人の失笑を買ったお粗末な検察の主張でした。

しかし今思えば、そのように傍聴人の失笑を買うような鼻クソのような主張でも、採用する裁判官がいると検察が知っていることに我々は震撼すべきなのかもしれません。常識外れの検察主張を、常識外れの裁判官が追認して、冤罪は作られるのだと思います。

あまり事件のテクニカルな部分には興味のない方も、是非、補論の「弁護活動に当たっての工夫」をお読み下さい。無実であれば無罪となるというのは幻想に過ぎず、当事者の苦労と更に重要なのは支援者のサポートであることがお分かりになって頂けると思います。

また、末尾に書かれた「当職の現時点の私見であるが」で始まる「注9」は、この論稿の一番おいしい部分ですので、これも是非お見逃しなく。小松弁護士の意見が最も反映したものであり、法曹関係者への苦言及びエールとなっています。

P.S.
今週発売の週刊『SPA!』に私の記事が掲載されています。記事のタイトルは「大企業を辞めた人の明暗」。是非、お手に取って下さい。

spa.jpg

ここをクリック→ 週刊『SPA!』 5/5・12号

4/30/2015












好評発売中!
ここをクリック→ Amazon 『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』 カスタマーレビュー

表紙1




ここをクリック→ Wikipedia クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件

ここをクリック→ 八田隆ツイッタ―

ここをクリック→ #検察なう フェイスブック・コミュニティ






TwitterやFacebookでの拡散お願いします。

category: クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件

2015/04/30 Thu. 00:01 [edit]   TB: 0 | CM: 1

go page top

この記事に対するコメント

この事件の示唆するところ

脱税する意図があったという故意性についての争い、という事ですが起訴前に検察が揃えていた材料を見るにつけ、私はまさしく検察がこれまで国税からの告発事案においてすべて勝ってきた「経験則」が起訴を後押しする一番の動機の様に思えてなりません。

これが意味するところは、彼らにとってこれまでの経験から有罪のハードルは低く間接証拠だけでも十分有罪を勝ち取れる自信があった、という事なのだと推測します。

この事件で一審から無罪を勝ち取り、控訴審で確定できた事は決して当たり前に得られる結果では無かったと思います。八田さんの一貫した「無罪」を貫き通した態度、弁護側のきちんとした戦略、公平に物事を判断できる裁判官が担当した事。これらのうち一つでもかけていたら恐らく同じ結果にはならなかったでしょう。悪くすると最高裁まで争っても有罪、十数年かけて再審運動を続けてようやく再審無罪、という恐ろしいシナリオも日本の今の刑事司法の現状を見るに十分有り得たでしょう。

Tri #6Aros7K. | URL | 2015/05/01 Fri. 01:50 * edit *

go page top

コメントの投稿

Secret

go page top

トラックバック

トラックバックURL
→http://fugathegameplayer.blog51.fc2.com/tb.php/850-a622342e
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

go page top