「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件(http://goo.gl/v0xQYP)において、国税局査察部告発、検察特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決。 著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)。 ツイッター(@thatta0529)で「#検察なう」の情報発信を続けます。

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無罪を勝ち得るために~冤罪と戦う方法 その13 「「被告人力」をいかにして高めるか」 

無罪を勝ち得るために~冤罪と戦う方法 その13 「「被告人力」をいかにして高めるか」

以前のブログで取り上げた「被告人力」について論じたいと思います。

ここをクリック→ #検察なう (468) 「早稲田大学大学院法務研究科にて講演してきました」

被告人という特殊な状況で、理解しておかなければならないことが2点あります。それらを理解することが、「被告人力」を高めることにつながると考えています。

それは
1) 自分一人では無力に等しい
2) 努力が必ずしも報われるわけではなく、ほぼ確実に報われない
ということです。

まず1)に関して。自分だけが頑張ればいいというのであれば、話は簡単なのですが、被告人という場合には、あなた一人ではどうしようもありません。そして、被告人の強力な相棒が弁護人です。被疑者段階で、検察に不起訴を選択させる策を講じる、あるいは公判ともなれば、それこそあなたの盾となってくれるのが弁護人です。

弁護人を選択することはあなたの責任です。弁護士としての能力もさることながら、やはり相性が重要です。依頼を決める前に話をして、その見極めをするべきだと考えられます。そして、選択してもそれで終わりというわけではありません。彼らの能力を最大限に引き出すこともあなたの責任だと考えて下さい。

拙著『勝率ゼロへの挑戦』から引用します(p.52)。
「弁護士とは忙しい仕事である。何件も同時に案件を抱える弁護士に、どれだけ自分の案件に時間を割いてもらえるか、あるいはその弁護士の実力以上のパフォーマンスを引き出すか。これは依頼人の責任である。」

もしかすると、あなたは弁護士の先生が「自分の案件に時間を使ってくれていない」と疑心暗鬼になるかもしれません。しかし、弁護士を非難するのではなく、自分に責任があると考えることが必要です。

弁護士の最大限のパフォーマンスを引き出すにはどうすればよいか。それは弁護士の立場になって考えることです。想像力が決め手になります。

私は、刑事裁判主任弁護人の小松正和弁護士には、当初2か月ほどの間、1日も欠かさず毎日メールをしました。その内容は、自分の事件の手がかりになると思われることを自分なりに考え、参考にしてもらおうとしたものです。私は、彼が風呂に入っている間にも自分の事件を思い出してもらうことを目指していました。

また、あなたに大きな力を与えてくれるのが支援者です。彼らをいかに鼓舞し、伴走し続けてもらうか。これを考えるのもあなた自身の責任です。

2) に関して。これは考え方次第です。先日の早稲田大学大学院法務研究科の授業でも、小松弁護士がとてもいいことを言っていました。
「我々の仕事は、「無罪を取ること」ではありません。「無罪を取る可能性を上げること」です」

この差は非常に大きいものです。無罪を取るために最大限の努力を惜しまないものの、結果は裁判長の胸先三寸ということです。

我々が通常経験するビジネスや日常の世界では、「陰日向なく努力することで、結果は自然とついてくる」と考える方が、結果がよくなることが多いのですが、残念ながら被告人という立場では、それは通用しません。

そして毎日、1ミリでも前進するように努力することです。結果にこだわらず、そしてあきらめない。その心持ちが被告人力を上げるためには必須だと思われるため、このシリーズの最初の回にそのことについて書きました。

ここをクリック→ 無罪を勝ち得るために~冤罪と戦う方法 その1 「被告人の心構え (1) 執着せず、あきらめない」

被告人力は、能力以前に、考え方の違いで大きく差が出てくると思います。私は、刑事被告人として実にいろいろなことを試みましたが、それらは私なりに考えて、一つ一つ意味があることでした。ヒントは、「もしあなたが本当に犯罪をしていたならば、絶対にしないであろうこと」をするよう努力することです。

そして最後は、被告人となったことを、自分にとって何が人生のプライオリティなのかを考えるいい機会だと考えることです。「人間万事塞翁が馬」- 是非考えてみて下さい。














ここをクリック→ Amazon 『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』 カスタマーレビュー

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category: 無罪を勝ち得るために

2015/06/04 Thu. 08:51 [edit]   TB: 0 | CM: 1

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この記事に対するコメント

一つ、加えた方が良い要素があると思います。

逮捕され拘置された状況下で、どれだけ自分の意思を貫けるかという点です。

非難する訳ではありませんが、八田さんのケースの場合、在宅起訴であったので刑事事件の殆どのケースでは逮捕されるのがデフォルトなので、実社会から隔離された孤独な環境下で被告人に与える影響を考慮する必要があると思うのです。

いつでも弁護人にメールや電話して相談できたり、家族や知人友人と接触できる自由があるのと無いのとは、かなり違うと思います(※)。日本の場合、丸三週間は拘置され否認していると起訴後も拘置が長期間続きますから、被告人力には孤独との戦いも含まれるのではないでしょうか。

※加えて言えば、拘置されている事によって失職の危険も高まります。

Tri #6Aros7K. | URL | 2015/06/04 Thu. 15:35 * edit *

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