「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件(http://goo.gl/v0xQYP)において、国税局査察部告発、検察特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決。 著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)。 ツイッター(@thatta0529)で「#検察なう」の情報発信を続けます。

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フィルム・レビュー 『あん』 河瀨直美監督 

フィルム・レビュー 『あん』 河瀨直美監督

あん

いわゆる「いい映画」とはどのようなものを言うのだろうか。それは人によって様々だろうが、私は「人間(の生き様)が描かれている」を前提として、「心を動かされる」そして「いつまでも心に残る」作品だと思っている。

前作『2つ目の窓』も素晴らしかった河瀨直美監督最新作『あん』鑑賞。今年これまで鑑賞した作品の中ではベストであり、多分この作品が年末の時点でもベストではないだろうか。

主人公の二人は、それぞれ社会から指弾、隔絶された経験を持つ。彼らは子を失った母、母を失った子であり、その喪失感が彼らの生き様に影響を与えているはずだが、それは直接的には描かれていない(が、隠れた味わいとして伝わってくる)。

ハンセン病患者を扱った映画というと社会的メッセージが強いのではと訝るが、そうした意識を持たずとも観ることができるほど、ハンセン病患者の描写は婉曲的である。とはいえ、樹木希林演ずる徳江の言葉は、表現こそ柔らかだが語られたことはあまりにも激烈であり、観る者の心を抉る。生きることの喜びを語る徳江の言葉に涙しない者はいないだろう。そのポジティブ感が、ハンセン病患者をモチーフとしながらも、全く陰鬱な感じがなく、むしろ勇気を与えられる。

私の評価する是枝裕和や西川美和が、広く観客を求める中で、ややもすると商業的な方向にあるような印象を受けるが、表現者として同じく広く観客を求めているであろう河瀨直美の作品が、その瑞々しさを失わないのはなぜだろうか。エンディング・クレジットを眺めながら、そのヒントを得たように感じた。彼女の視野は日本に留まらず、地球規模である。非常に日本的な題材を扱いながらも、彼女が求めているものは、あくまで世界の映画愛好家に受け入れられる作品を目指していると感じた。

ざらついたフィルム感の画像や、露出過多、アウトフォーカスの画像を挿入する技巧は、鼻につくと台無しだが、この作品では効果あり。

樹木希林の演技は素晴らしい。全身ガンに犯されている彼女の遺作となりえる作品だけに、この作品と巡り合えたことは、彼女の役者としての人生に大きな意味があるだろう。永瀬正敏がこれほど演技ができることも驚かされた。残念なのは内田伽羅。自分は映画を観終わるまで、彼女が樹木希林の孫とは知らなかったのだが、知るまでは「別に」という感想だったが、知った後は「なぜ彼女を使ったのだろう」という感想に変わった。彼女に『イノセントワールド』の竹内結子や『がんばっていきまっしょい』の田中麗奈の清冽さを期待するのは過大かもしれないが、そうであれば、更にこの作品の完成度が増しただろうに。

とにかく映画が好きな人には是非観てほしい作品。期待を裏切らないはず。

ここをクリック→ 『あん』予告編

(Facebook 6/2/2015より転載)












ここをクリック→ Amazon 『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』 カスタマーレビュー

表紙1




ここをクリック→ Wikipedia クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件

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category: フィルム・レビュー

2015/06/07 Sun. 00:01 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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