「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件(http://goo.gl/v0xQYP)において、国税局査察部告発、検察特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決。 著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)。 ツイッター(@thatta0529)で「#検察なう」の情報発信を続けます。

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#検察なう (474) 「大崎事件再審弁護人からのメッセージ」 6/18/2015 

#検察なう (474) 「大崎事件再審弁護人からのメッセージ」 6/18/2015

確定判決の有罪判決を再審理するのが「再審」です。日本の裁判所においては、再審請求が認められるには、「無罪を言い渡すべき明らかな証拠」があることが必要とされ(刑事訴訟法第435条6号)そのハードルは著しく高いため、再審は「開かずの扉」「針の穴にラクダを通すほど困難」と言われています。

そしてその開かずの扉を一旦はこじ開けたにも関わらず、再び閉ざされてしまったという事例がいくつかあります。再審開始が一旦は決定されながら、検察の異議申し立てにより再審開始が取り消されたものです。「名張毒ぶどう酒事件」(注1)しかり、「福井女子中学生殺人事件」(注2)しかり。

ある裁判官が「無罪を言い渡すべき明らかな証拠」があると考え再審開始を決定しながら、別の裁判官がそれを覆すということは、そのことだけでも推定無罪の原則が日本の刑事司法では軽視されていることの表われであると言えます。日本の刑事司法には後進的な事柄が多々ありますが、再審開始決定に対し検察の異議申し立てを許しているのもその一つ、そしてそれは非常に由々しいものです。

ここで紹介する「大崎事件」も一旦は再審開始が決定されながら、取り消されるという冤罪中の冤罪です。大崎事件の冤罪被害者原口アヤ子さんは今年88歳。6月15日の彼女の誕生日に、私のフェイスブックのニュースフィードに上がってきたのは、大崎事件再審弁護人の鴨志田祐美弁護士(注3)のメッセージでした。

7月8日に第3次再審の申し立てを行うことが決まっています。それに先立ち、支援の声を寄せてほしいというものです。

以下、引用します。

「FBお友達のみなさまにお願いです(長文になります。申し訳ございません)。

大崎事件の再審請求人、原口アヤ子さんは本日88歳になりました。

アヤ子さんの年齢を考えると、今回行う第3次再審請求が,彼女にとって存命中の最後の再審請求となることは間違いないでしょう。

今年2月2日に、最高裁が大崎事件の第2次再審請求を棄却してから、わずか4か月あまりという猛スピードで、この7月8日に第3次再審の申立てを行うのは、ひとえに、アヤ子さんの存命中に再審無罪を勝ち取りたいという切なる思いがあるからです。

大崎事件は、主犯とされたアヤ子さんは一度も自白したことがなく、客観的証拠もほとんど存在せず、「共犯者」とされた3人の男性の自白がほぼ唯一の証拠となって有罪判決が確定した、証拠構造が極めて脆弱な事件です。

確定審の審理は、知的障がいをもつ「供述弱者」への配慮を欠いた密室の取調べによって得られた自白のみで有罪が認定された点、否認のアヤ子さんと自白した「共犯者」の公判が分離されたとはいえ、刑事部が1か部しかない鹿児島地裁では、同じ裁判体が審理したことで予断が生じた可能性が濃厚である点、1審の弁護人が「アヤ子さんの関与の有無」のみを争点としたため、犯行態様にかかる自白の信用性が実質審理から欠落した点などの問題を孕むものでした。

第1次再審においては2002年に鹿児島地裁で再審開始決定がされたにもかかわらず、検察官の即時抗告により開始決定が取り消され、結果的に事件から35年以上経った今日まで、アヤ子さんの雪冤を果たせずにいます。

第2次再審の請求審では、再審における証拠開示をめぐる「再審格差」の犠牲になりました。

即時抗告審では、我が国の再審史上初めて供述心理分析を行った心理学者の尋問が実現しましたが、結論は棄却でした。殺害行為に関与した2名の自白の信用性は「高くない」としながら、死体遺棄だけに関与したもう一人の「共犯者」と、彼らの言動を目撃(耳撃)した親族の供述が信用できるから有罪認定は揺るがないという不可解な認定になりました。

私たち弁護団にとって、アヤ子さんの雪冤が一番の目的なのは当然ですが、それにとどまらず、ずさんな「科学的証拠」(法医学鑑定)と「供述弱者である共犯者供述」だけで有罪認定され、客観的証拠が存在せず、したがってDNA再鑑定も考えられない大崎事件がどう判断されるかは、我が国の再審、ひいては刑事司法の将来を左右する問題だと思っています。

7月8日の申立ての直後に当地で開催する報告集会には、布川事件の桜井昌司さん、足利事件の菅家利和さん、そして映画監督の周防正行さんが、遠方からわざわざ鹿児島に駆けつけて下さることになっています。

しかし、日本の南の端っこで行う集会に、県外の方々に足を運んでもらうのが難しいことも現実です。

また、心身の衰えの著しいアヤ子さんが演壇に立つことも困難な状況です。

そこで、報告集会では昨日行ったアヤ子さんの米寿祝いの映像をバックに、会場に来られない遠方の方々からのメッセージを読み上げる、という時間を作ろうと考えました。

私のFBお友達には、研究者、同業者、非法律家、さまざまな方々がいらっしゃいますが、皆様方におかれましても、可能であればアヤ子さんへの応援メッセージをお送りいただきたく、ここにお願い申し上げる次第です。

お送り下さるという方は鴨志田宛に直メッセージをいただけると幸いに存じます。

なお、応援メッセージはまとめて当日配付資料にして、メディアにも配布して活用したいと思っています。その際、メッセージは実名で公表させていただく所存ですので、趣旨にご賛同いただける方は、ご所属とフルネームを記載して下さいますよう重ねてお願い申し上げます。

長々と書き連ねましたが、アヤ子さんの人生のフィナーレに向けた最後のチャンスとなる今回の再審請求に賭ける弁護団の覚悟に免じて、どうかご容赦下さい。」
(引用以上)

鴨志田弁護士に確認したところ、分量は短くても長くても構わないとのこと。6月中に鴨志田弁護士のフェイスブック・メッセージまで送って頂ければよいそうです。私もカナダ帰国の飛行機の中でじっくり考えて、地球の裏側からアヤ子さんにエールを送りたいと思っています。

大崎事件に関してはこちら。
ここをクリック→ 冤罪ファイル その8 「大崎事件」

ブログ添付の鹿児島読売テレビが制作したドキュメント『あたいはやっちょらん!鹿児島大崎事件「再審格差」』では、鴨志田弁護士が裁判所、裁判官によって当たりはずれがあるというメッセージ中にもあった「再審格差」に関して熱く語っています。是非ご覧下さい。
ここをクリック→ 『あたいはやっちょらん!鹿児島大崎事件「再審格差」』

(注1)
ここをクリック→ 冤罪ファイル その1 「名張毒ぶどう酒殺人事件」 

(注2)
ここをクリック→ 冤罪ファイル その9 「福井女子中学生殺人事件」

(注3)
鴨志田祐美弁護士 大崎事件弁護団事務局長
ここをクリック→ えがりて法律事務所弁護士紹介 

6/18/2015















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category: 大崎事件

2015/06/18 Thu. 00:01 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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