「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件(http://goo.gl/v0xQYP)において、国税局査察部告発、検察特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決。 著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)。 ツイッター(@thatta0529)で「#検察なう」の情報発信を続けます。

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フィルム・レビュー 『ラブ&マーシー 終わらないメロディ』 ビル・ポーラッド監督 

フィルム・レビュー 『ラブ&マーシー 終わらないメロディ』 ビル・ポーラッド監督

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ブライアン・ウィルソンの伝記映画『Love&Mercy』観賞。

CDコレクションで一番枚数が多いのがBeach Boys(20枚以上)であり、そのアルバムのどれよりブライアンの初ソロアルバム『Brian Wilson』(1988)が高水準だと思っているファンとしては見逃せない作品だった。ところがバンクーバーでは1ヵ月余りで終映(こちらでは売れる作品と売れない作品がはっきり分かれ、売れない作品はあっという間に終映される)。高速を1時間飛ばして2つ隣りの市の映画館で観賞。

意外だったのは、映画の半分が彼のソロキャリアになってからの、精神分析医のユージン(ジーン)・ランディに薬漬けにされ支配されている状況から抜け出すというかなりマイナーな彼の「今日」のストーリーだったこと。これは自分も知らなかっただけに、現在のブライアン・ウィルソンのファンとしては興味深かった。

残りの半分は、彼が『ペット・サウンズ』の完成後に精神を病んでいくというこれは期待された内容。精力的にツアー活動をする残りのメンバーから離れてスタジオに引きこもり、オリジナルの楽曲を追求するブライアンと、楽曲の複雑さからバック・コーラスに成り下がらざるを得なかったほかのメンバー(特にマイク・ラヴ)との確執や、幼少期から虐待されてきた父親の影響が背景として描かれていた。

『ペット・サウンズ』がビートルズの『ラバーソウル』に触発されてできた作品であることは有名で、映画でもそれに触れられていたが、その後、『ペット・サウンズ』が旧来のファンからは不評で(『ペット・サウンズ』がビーチ・ボーイズの最高作であり、ロック史の傑作の一つというのは後年の評価)、更にビートルズの『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』の成功に対するプレッシャーからブライアンが精神を病んでいくという状況が描かれていないのは残念(映画で、そうした話を知らない人が観ると、何か唐突に頭がおかしくなったかのような印象)。

スタジオ・ミュージシャンを多数起用して、1フレーズに3時間も費やすブライアンに対し、ほかのメンバーの一人が「お前は何をやりたいんだ!モーツアルトにでもなりたいのか!」というセリフのシーンはよかった。これもビートルズの絡みで言えば、ビートルズは多くのフォロワーが生まれたのに、ビーチ・ボーイズのフォロワーが生まれなかったのは、中期以降の楽曲の内省的、メロディーラインの複雑さが理解されていないからだと感じるから。ブライアン・ウィルソンの曲は初期のイメージとはかけ離れてかなり哲学的だと思う。

この映画の一番残念なところは、なぜブライアンがメンバーとの確執の中で、ソロ・アルバムという選択肢を選ばず、ファミリーでのレコーディングにこだわったかという私が個人的に抱えている疑問に答えてくれなかったこと。

ブライアン役の(若い頃の)ポール・ダノと(歳を取ってからの)ジョン・キューザックは共に、ちょっとイカれた感じをうまく出していたが、この二人全く顔が似てないんだけど、それでいいんかい?

いずれにせよ、ビーチ・ボーイズを初期のサーフ・サウンズ・バンドだと思っている人には訳が分からないだろうし、結局、コアな(ビーチ・ボーイズ・ファンというより)ブライアン・ウィルソン・ファンしか、突っ込めずまた楽しめないというマイナーな作品という評価。ブライアン・ウィルソン・ファンはマストでしょ。

ここをクリック→ 『ラブ&マーシー 終わらないメロディ』予告編

(Facebook 7/18/2015より転載)














ここをクリック→ Amazon 『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』 カスタマーレビュー

表紙1

ここをクリック→ Wikipedia クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件

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category: フィルム・レビュー

2015/07/19 Sun. 05:24 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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