「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件(http://goo.gl/v0xQYP)において、国税局査察部告発、検察特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決。 著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)。 ツイッター(@thatta0529)で「#検察なう」の情報発信を続けます。

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#検察なう (497) 「刑事司法改革法案、今国会での成立見送り」 9/10/2015 

#検察なう (497) 「刑事司法改革法案、今国会での成立見送り」 9/10/2015

今国会で審議されており、衆議院で可決された刑事司法改革法案(「刑事訴訟法の一部を改正する法律案」)は、参議院での審議の時間が十分でないとの理由から今国会での成立が見送られる見込みです。

ここをクリック→ 毎日新聞「刑事司法改革法案:可視化導入見送り 自公が方針」

この刑事司法改革法案は、取調べの可視化と引き換えに、捜査協力型司法取引導入と通信傍受法対象拡大(注1)が抱き合わせとなっていたものです。

取調べの可視化の対象事件が、裁判員裁判対象事件と検察の独自捜査事件という非常に限られたもの(年間約9万件の刑事事件の2%ないし3%、注2)であるのに対し、捜査権力が得たものは相当強力なものであり、郵便不正事件という検察不祥事がこの刑事司法改革の契機となったにもかかわらず、捜査権力の焼け太りと言われています。

複数別々の改革案を一括採択としてパッケージ化したところが、法務・検察官僚の実にしたたかなところです。

特に、この改革法案で導入が見込まれる司法取引は、司法取引の本場アメリカにおいても、冤罪の温床になっていると警鐘が鳴らされているものです。

自分の罪を認める代わりに量刑の軽減を求める「自己負罪型」司法取引ではなく、他人の罪を供述することで自分の罪の量刑軽減を求めるのが「捜査協力型」司法取引です。自分の保身のために無実の他人を引っ張り込む危険性があることは容易に想像できます。

これまでのブログでもその危険性について論じてきましたが(注3)、最近放送されたNHK『クローズアップ現代』で特集されましたので、それを紹介します。

放送の内容の全文書き起こしがこちらのリンクで読め、ダイジェスト動画もあります。

ここをクリック→ NHK『クローズアップ現代』「えん罪は防げるか 司法取引で変わる捜査」

今回の司法取引導入に際し、法務・検察官僚が冤罪の抑止力となると述べている虚偽供述の罰則規定、司法取引の協議における弁護士の同席、司法取引による供述の裏付け捜査といったものは、必ずしも十分ではなく、司法取引の全過程の録音・録画による記録化(可視化)が非常に重要であるということが、アメリカの実例を元に検証されています。

今国会での成立が見送りになったといっても、これは廃案になったわけではなく、秋の臨時国会での継続審議が予定されています。我々国民の生活に直結する可能性がある刑事訴訟法の改正に、より深い理解が必要であり、議論を深めていかなければならないと考えます。

(注1)
ここをクリック→ TBSラジオ『デイキャッチ!』「取調べ全過程の録音・録画を義務付けへ。法制審議会が試案。(青木理)」

ここをクリック→ NHK時論公論「通信傍受拡大へ 解かれる封印」

(注2)
ここをクリック→ 裁判員制度の対象となる事件の数(最高裁判所資料)

(注3)
ここをクリック→ #検察なう (491) 「捜査協力型司法取引のリスク~法務委員会における笹倉香奈参考人の意見より」

ここをクリック→ #検察なう (492) 「捜査協力型司法取引のリスク その2~市川寛氏ブログより」

9/10/2015











ここをクリック→ Amazon 『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』 カスタマーレビュー

表紙1


ここをクリック→ Wikipedia クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件

ここをクリック→ 八田隆ツイッタ―

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category: 刑事司法改革への道

2015/09/10 Thu. 01:29 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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