「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件(http://goo.gl/v0xQYP)において、国税局査察部告発、検察特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決。 著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)。 ツイッター(@thatta0529)で「#検察なう」の情報発信を続けます。

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#検察なう (501) 「「思い込み」の検証~国賠審原告第5準備書面より」 9/24/2015 

#検察なう (501) 「「思い込み」の検証~国賠審原告第5準備書面より」 9/24/2015

私が過少申告となったのは、給与所得の所得税は会社が天引きしているという「サラリーマンの常識」を過信したからですが、前回ブログでは、会社が源泉徴収していなかったことの問題点を議論しました(注1)。捜査当局は、その問題点を重々理解していながら、会社側の責任を不問に付し、私個人を糾弾したものです。

刑事裁判において、捜査当局が私を有罪にするためには、私が思い込みをしていたという主張は嘘であるという立証が必要でした。無罪判決は、それが証拠上不合理だと、裁判所が捜査当局の無理筋捜査を一刀両断にしたものです。国賠審では、更に踏み込んで、そもそも告発・起訴に有罪を期待するだけの合理的根拠はなかったということが、我々原告側の主張になります。

先日私の代理人チームが提出した第5準備書面では、検察が公判に提出した証拠を丹念に分析し、それらはどこをどうひっくり返してもあまりにショボい証拠であり、これで有罪を期待するのは不合理極まりないという主張がなされました。

ここをクリック→ 原告第5準備書面

一読して頂ければ、いかに告発・起訴が客観的合理性に欠けるかということがお分かり頂けるものですが、特に読んで頂きたいのが、p.15以降の「原告の供述「この文章を読んで私が思い込みをしたのではない」」という最後の章です。重要部分を引用します。

(以下引用)
「本件刑事事件においては、原告の思い込み(「株式報酬も源泉徴収されている」)の真実性を強く窺わせる無罪方向の証拠や客観的状況が多々あった。

そして何よりも、原告(被疑者)の主任検事に対する次の供述が、その真実性を端的に示している。

東京地検五反田分室における主任検事の取り調べにおいて、誤解を招くメール(注:株式売却代金入金の詳細について知らせるものに「源泉徴収税がある場合には会社に送金され、残高があなたの口座に残ります」という記述があった)について、原告(被疑者)は、次のように吐露している。すなわち、「読んだはずです」としながら、「この文章を読んで私が思い込みをしていたということではない」「この文章を読んで株式報酬に関しても源泉徴収されているということを理解したというものであれば、それは知識であり、思い込みというほど強いものではなかったのではないでしょうか」と。

まさに、真実思い込みをしていた者ならではの表白である。主任検事は、この供述を聞いた瞬間、原告が心底思い込みをしていることを悟ったに違いないのである。だから、無辜と知りつつ、起訴した疑いが極めて強い。
(引用以上)

今回提出の一連の準備書面は、元判事の森炎弁護士が起案したと聞いています。この特捜部取調べでの私の供述は、私本人ですら刑事裁判の際に気付いていなかった証拠でした。裁判官らしい視点、見解だと感じました。

準備書面は以下のように結んでいます。

(以下引用)
われわれ、代理人5名が本件国家賠償請求を提起したのは、本件刑事事件の記録を検討して、有罪判決を期待し得るだけの合理的根拠が存在していなかったことを確信したからではない。そう確信したのみならず、記録上、主任検事が原告(被疑者)の思い込みを知っていたことを証拠評価において確信したからである。原告代理人5名は、弁護士の中では、間違いなく、検察庁なかんずく東京地検特捜部に対して敬意と期待を抱いている方の部類に入るはずである。それでも、なお国家賠償請求を提起した理由は上記の点にある。

御庁におかれては、記録の精査、各証拠の分析、供述証拠の評価等々の実務能力は、われわれ、原告代理人5名よりも上回るのであるから、上記の点について見通せないはずはないと思われるが、願わくば、今後の審理において、ただ「有罪判決を期待し得るだけの合理的根拠が存在していたか否か」というだけでなく、主任検事が「原告(被疑者)が心底思い込みをしていることを知っていた」という観点から証拠を分析評価していただくことを切に希望する。

刑事裁判所においても、「本件では、被告人が過少申告の認識を有していなかったと解する方が自然である」と、その無辜性が、つとに強調されているところである。
(引用以上)

私は、国税局査察官、東京地検特捜部検事は私の無実を知りながら告発・起訴したと確信しています。それは当事者の感覚ですが、それが真実である以上、証拠に明らかになるということを代理人チームは証明してくれました。あとはその証拠を裁判官が見て見ぬ振りをするのかどうかだけです。是非、今後の展開にご注目下さい。

(注1)
ここをクリック→ #検察なう (500) 「会社の源泉徴収義務再考~原告第4準備書面提出」

9/24/2015












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category: 国家賠償請求訴訟

2015/09/24 Thu. 00:01 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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