「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件(http://goo.gl/v0xQYP)において、国税局査察部告発、検察特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決。 著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)。 ツイッター(@thatta0529)で「#検察なう」の情報発信を続けます。

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#検察なう (507) 「『告発の正義』とクレディ・スイス証券集団申告漏れ事件~各論 第四章「激変する「告発の正義」と「検察の正義」の関係」(下)」 10/15/2015 

#検察なう (507) 「『告発の正義』とクレディ・スイス証券集団申告漏れ事件~各論 第四章「激変する「告発の正義」と「検察の正義」の関係」(下)」 10/15/2015

前回ブログに引き続き、郷原信郎氏最新刊『告発の正義』よりクレディ・スイス証券集団申告漏れ事件に関する各論的論述を引用します。

ここをクリック→ #検察なう (506) 「『告発の正義』とクレディ・スイス証券集団申告漏れ事件~各論 第四章「激変する「告発の正義」と「検察の正義」の関係」(上)」

告発の正義

(承前)
<当時の東京地検特捜部が置かれていた状況>

その事情として考えられるのは、八田氏の告発が行われた2009年12月頃に、東京地検特捜部が置かれていた状況である。

その頃、2009年8月末の衆議院議員総選挙で民主党が圧勝し、同党を中心とする連立政権が誕生し、小沢氏が政権与党の民主党の幹事長に就任した。特捜部は、その頃から小沢氏に政治的ダメージを与えるとともに、西松建設事件の失敗捜査の汚名を晴らすべく、陸山会の世田谷区の土地取得にかかる政治資金収支報告書虚偽記入事件の内偵捜査を進めていた。

2009年12月というのは、東京地検特捜部が、そのような陸山会事件の捜査に組織を挙げて取り組んでいた時期だった。

当時の特捜部の幹部は、小沢氏を起訴して、その政治生命を絶つという「妄想」に取りつかれており、関連する人物、団体等についての税務申告や資金の流れについて様々な情報を保有し、調査を行うことができる国税局との緊密な連携・協力関係を維持することが不可欠だった。

そのような状況において、国税当局の幹部から、八田氏の告発を何とかして受けてもらいたいとの強い要請を拒絶することができず、有罪判決を得る十分な見込みがない事件の告発を了承したとの推測も可能だ。

そして、その告発の約2年後の2011年12月7日に八田氏は在宅起訴されるが、その間、2010年9月、郵便不正事件で、村木厚子氏に対して無罪判決が出され、検察が猛烈な社会からの批判にさらされ、特捜部は捜査に対するチェック強化や組織見直しの影響下に置かれていた。

<検察不祥事が不当な告発・起訴・控訴の背景か>

従来は、脱税事件で被疑者が嫌疑事実を否認している場合には、逮捕・勾留したうえで起訴するのが一般的なやり方だった。しかし、特捜部は、八田氏を逮捕・勾留せず、否認のまま在宅起訴した。これは、当時の検察不祥事・特捜改革という検察をめぐる状況の下では、証拠が希薄で有罪判決の十分な見込みのない中で逮捕・勾留することが困難だったからだと考えられる。

しかし、そうであれば、起訴自体を差し控えるのが当然だ。ところが、そこには、「告発要否勘案協議会において検察官が了承したうえで国税局が告発した事件について、不起訴にすることは許されない」という国税当局の「告発の正義」と「検察の正義」のとの深い関係があった。

東京地検特捜部は、有罪判決を得る見込みがほとんどないことを承知のうえで起訴する、という「暴挙」に出ざるを得なかった。そして一審判決を覆す見込みもほとんどないのに、本来、無罪判決に対しては極力慎重であるべき検察官控訴が行われたのも、「告発の正義」と「検察の正義」の関係の下では、国税当局や検察の組織の面子を潰すことになる控訴断念という判断ができなかったということであろう。

検察が完全敗北を喫した八田氏の事件は、国税当局の「告発の正義」と「検察の正義」の歪んだ関係が、徴税という国家作用のための検察官の権限の濫用を招き、源泉徴収によって納税している多くの給与所得者の市民に対して重大な脅威を与えかねないことを示している。

八田氏は、脱税で告発され、起訴され、控訴までされたことで、長期間にわたって、脱税の被疑者、被告人の立場に立たされ、多くのものを失った。それによる損害の賠償を求める国家賠償訴訟を提起し、私も、その代理人に加わっている。

国側は、不当な告発、起訴、控訴に関する国側の過失を主張する八田氏側の請求に対して、一審判決、控訴審判決の「当然の判断」を前提にすると、過失を否定する余地がないと判断したためか、無罪判決が誤っているかのような「苦し紛れ」の主張を行って、必死に賠償責任を否定しようとしている。
(了)

私を刑事告発した国税局と、起訴・控訴をした検察に本当に正義があるのか、それを問う私の国賠審にこれからもご注目下さい。

10/15/2015
















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category: クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件

2015/10/15 Thu. 00:49 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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