「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件(http://goo.gl/v0xQYP)において、国税局査察部告発、検察特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決。 著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)。 ツイッター(@thatta0529)で「#検察なう」の情報発信を続けます。

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#検察なう (517) 「埼玉愛犬家連続殺人事件 (4) ~ 山崎氏が風間博子被告人の公判で無実の証言」 11/23/2015 

#検察なう (517) 「埼玉愛犬家連続殺人事件 (4) ~ 山崎氏が風間博子被告人の公判で無実の証言」 11/23/2015

埼玉愛犬家連続殺人事件は、複数の人間が殺害されながら物証はほとんどないという、捜査は困難を極めた事件です。殺害及び死体損壊・遺棄に関与する共犯者は三人。客観的事実を裏付ける物証が存在しないため、事件の有罪立証は共犯者のいずれかの証言に頼らざるを得ないという状況の下で公判は進行し判決が下されました。三人のうち最も動機が弱いと裁判官が判断したであろう山崎永幸氏の証言を元に、関根元(はじめ)死刑囚と風間博子死刑囚の有罪の立証がなされました。しかし、山崎氏の証言の信用性は、実際には極めて低いと考えられるということをこれまでのブログで述べてきました。

ここをクリック→ #検察なう (513) 「埼玉愛犬家連続殺人事件 (2) ~ 山崎永幸氏供述の経緯」

ここをクリック→ #検察なう (516) 「埼玉愛犬家連続殺人事件 (3) ~ 山崎氏供述の信用性」

そして、検察の取調べ段階では、風間死刑囚の殺害関与を供述しながら、驚くことに山崎氏は彼女の公判では彼女の無実の証言をしています。

風間死刑囚を被告人とする一審において、検察側証人として呼ばれているにもかかわらず、以下の証言をします。

弁護人 「もう一度聞きますが、川崎氏殺害事件に関して、風間被告人が車の運搬だけを認めて、殺人、死体損壊・遺棄については、自分はしていませんと、この裁判で言っているのです。その主張について、どう思いますか」

山崎  「本人が言ってんだから、間違いないでしょう。本人が言ってんだから、それで合ってるでしょう」

弁護人 「遠藤さん、和久井さんの方の事件...」

山崎  「私は、博子さんは無罪だと思います。言いたいことは、それだけです。」

そして風間死刑囚を被告人とする控訴審でも、山崎氏は一審同様風間死刑囚の無実を主張しました。

山崎  「人も殺してないのに何で死刑判決が出るの」

弁護人 「浦和の裁判所で話すことができなかった中身は今話せますか?」

山崎  「今話したらめちゃくちゃになります」
「何で博子がここにいんのですよ、問題は。殺人事件も何もやってないのに何でこの場にいるかですよ。それで釈放しないのはおかしいですよ。俺が出てるんだから。もうこの裁判は、そこから根本がおかしいですよ。」
「人を殺せる人かどうか、顔を見れば分かるでしょう。」

それら証言を裁判所は、なんと不合理であり信用性に欠けると一顧だにしませんでした。

風間死刑囚には殺害関与の物的証拠もなければ、自白もありません。殺人の有罪の根拠とされたのは、関根死刑囚・山崎氏という共犯者の証言だけです。それも、関根死刑囚は警察の取調べの初期段階では風間死刑囚の関与について何も述べてはいませんでしたが、その途中から彼女を主犯とする供述を始めています。一方、山崎氏は取り調べ段階では関根死刑囚と共に風間死刑囚を事件の主犯としていたのですが、風間死刑囚の公判では彼女の殺害関与を否定する証言を始めました。そしてその証言はその後一貫して変わっていません。つまり、風間死刑囚の場合、何らの証拠もなく死刑判決を下されているというのが実情ではないかと疑われるケースです。

しかも重要なことは山崎氏にとってみて風間死刑囚を擁護する理由は全くないということです。それどころかむしろ、風間死刑囚は第二、第三の殺人では、山崎氏が殺害の実行犯だと証言しています。自分を殺人犯だとする人間の足を引っ張るのであればまだしも、その人間を擁護するというのはよほどのことだと考えられます。

風間死刑囚の一審最終弁論で弁護人は、山崎氏について、捜査段階では最小限度の刑事責任を負って切り抜けるため、自分の罪を風間死刑囚にかぶせるような供述をしたのだと主張しました。そして、そんな山崎氏が公判で風間死刑囚のことを無実だと証言したのは「ぎりぎりの良心」だったのだという見解を述べています。

日本の刑事司法では、公の開かれた場である公判での証言よりも、密室で検察官の作成した調書の方が信用されるという素人には到底理解できない決めごとがあります。やはり裁判所が直接取り調べた証拠のみを事実認定の基礎とする直接主義や、審理の際当事者及び裁判所の訴訟行為は口頭で行われなければならないという口頭主義を徹底し、結果、公判での証言を重視するという方向にあるべきなのではないでしょうか。

風間死刑囚は、司法取引や調書至上主義の犠牲になったのではないかと考えています。

参考文献
『冤罪File』第20号「冤罪疑惑が黙殺され続けた「埼玉愛犬家連続殺人事件」共犯者が被告人の無罪を証言!」 片岡健

『冤罪File』第21号「埼玉愛犬家連続殺人事件 女性死刑囚の子供たちが、知られざる事件の内幕を明かす!「それでも母はやっていない」」 片岡健

『女性死刑囚』 深笛義也

『悪魔を憐れむ歌』 蓮見圭一

ブログ『横板に雨垂れ』
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『大きな愛に包まれて 無実を訴える死刑確定囚 風間博子の声』
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11/23/2015



















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category: 埼玉愛犬家連続殺人事件

2015/11/23 Mon. 00:01 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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