「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件(http://goo.gl/v0xQYP)において、国税局査察部告発、検察特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決。 著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)。 ツイッター(@thatta0529)で「#検察なう」の情報発信を続けます。

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#検察なう (531) 「大詰めを迎えた国賠審 Part1 ~これまでの流れ」 2/13/2016 

#検察なう (531) 「大詰めを迎えた国賠審 Part1 ~これまでの流れ」 2/13/2016

先日2月8日、私の国賠審の第9回口頭弁論が行われました。2014年7月に始まった私の国賠審も1年半を経て、大詰めを迎えています。

まず、これまでの流れをおさらいします。

国賠審のハードルが相当高いことはこれまでも述べてきたことです。2008年12月の強制捜査から2014年2月の無罪確定まで、5年以上の長きに亘って、精神的苦痛にさらされ、その後も再就職の道を絶たれて多大な経済的損失をこうむっても、「無罪になったからいいじゃないか」というのが国のスタンスです。

個人間では無過失補償が認められても、国が相手となると、「国が違法なことをした場合のみ」補償が認められるという非常に厳しい条件が加えられます。私に対する捜査、告発、起訴、控訴が「違法であった」ということを裁判所に認めてもらおうというのが、私の国賠審です。

査察部、特捜部でそれぞれ100時間を越える取調べを経て、証拠がないことを分かっていながら「マルサが告発して、特捜が起訴をすれば有罪率100%」という奢りから行われた告発、起訴、控訴が公訴権濫用であり、人権を著しく侵害する違法行為であることは、火を見るより明らかなのですが、その「国の役人の違法行為」を同じ国の役人である裁判官が認定するかどうかということがキモになっています。

日本の刑事裁判の有罪率は99.9%を越えていますが、この数字が異常とまでは言えない理由に、起訴便宜主義が挙げられます(勿論、検察は彼らが優秀であることを最大の理由にしたいところでしょうが)。犯罪の嫌疑があっても、検察が訴追を必要としないと判断する場合には、公訴を提起しなくてもよいとするのが「起訴便宜主義」です。それに対し、検察官に裁量を認めず、嫌疑があれば全て公訴提起をさせることは「起訴法定主義」と呼ばれます。

日本においては、諸外国に比して、起訴便宜主義が徹底され、かなりの事案を「嫌疑はあっても、起訴・処罰の必要なし」とする起訴猶予として処分しています。

平成27年度の犯罪白書によれば、平成26年における検察庁新規受理人数123.8万人のうち、起訴猶予は70.1万人と57%もの対象者を嫌疑はあっても、起訴しないとしています(注)。

刑事裁判の有罪率の高さの理由は、このように検察が事件を厳選して起訴しているためと一般に説明されます。

私の国賠審での、告発違法、起訴違法、控訴違法の主張に対し、被告である国は、「有罪とするに足る証拠があろうがなかろうが、自分たちが怪しいと思ったから告発した。怪しいと思ったから起訴した。一審無罪でも、依然怪しいと思ったから控訴した。それは適法だ」と主張しています。

起訴違法に関する国の主張は、起訴法定主義のシステムであればある程度納得もいくものですが、散々、起訴便宜主義の下で、厳選したものを起訴しているのだから、起訴した以上は必ず有罪にすべしという暗黙のプレッシャーを裁判所に与えておきながら、この期に及んで「怪しいと思ったから起訴して何が悪いんだ」というのは、完全にダブル・スタンダードです。全国の裁判官の方々は、是非、この国の主張を肝に銘じて、起訴された被告人を有罪推定することは慎んでほしいと思います。

更に由々しいと思われるのが、控訴違法に対する国の主張です。次回ブログでは、それにフォーカスしてみたいと思います。

(注)
ここをクリック→ 法務省HP 「平成27年版犯罪白書のあらまし」

ここをクリック→ p.8 「犯罪者の処遇」

2/13/2016









ここをクリック→ Amazon 『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』 カスタマーレビュー

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category: 国家賠償請求訴訟

2016/02/13 Sat. 02:54 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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